講師:高橋幸
日時:2024年1月8日(月)14時〜  ←終了しました
場所:フォーラス仙台 BOOKSPACEあらえみし
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高橋さんより概要

 ジジェクは「左翼」にどんな可能性を見ているのか。「左翼」はどんなビジョンを示しうるのか。第四波フェミニズムの動向も踏まえながらジジェクを読み、情動政治の時代における左翼思想の可能性を論じていきます。

 例えば、トマ・ピケティが進めているグローバル規模で一律に資本に課す累進資本税の導入という戦略や、ネグリ&ハートの「マルチチュード」、ジュディス・バトラーが『アセンブリ』で示した可傷性(ヴァルネラビリティ)に基づく連帯の可能性といった論点を提起しながら、ジジェクはこれらの具体的・実践的な左翼の戦略にどういう態度を取るのだろう(ジジェクならなんていうんだろう)? という方向性で、考えていきたいと思います。

 また、ジジェクのセクシュアリティの捉え方を一部批判しつつ、「現代の若者(統計上の定義は18歳~34歳)の対人性行動の消極化」という動向についても、論じます。

高橋幸さんの著作

『フェミニズムはもういらない、と彼女は言うけれど』(晃洋書房)

『現代思想2019年9月号 特集=〈恋愛〉の現在』(青土社)
【討議】高橋幸+永田夏来「これからの恋愛の社会学のために」
【論考】高橋幸「ジェンダー平等な恋愛に向けて——大澤真幸の言う「恋愛」はなぜ「不可能」なのかの考察から」

・品田知美・水無田気流・野田潤・高橋幸『離れていても家族』(亜紀書房)


講師プロフィール

高橋幸(たかはし・ゆき)  1983年宮城県石巻市生まれ。2006年お茶の水女子大学文教育学部人間社会科学科卒業。当時の社会学コースには坂本佳鶴恵さんや杉野勇さんがおられ、そこでジェンダー論や社会学を学びました。お隣の学部である生活科学部所属だった竹村和子さんがひたすらラカンについて語りまくる講義を開講しており、とても面白かったことを覚えています。卒論のタイトルは『ゲオルク・ジンメルにおける個人と社会』。2008年東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻相関社会科学コース修士課程修了。2014年同博士課程単位取得退学。佐藤俊樹さん、市野川容孝さん、内田隆三さんが修士論文の審査および博論の初期の審査の先生でした。私の社会学観は主にこのお三方の仕事とその弟子たちが織り成す社会学的研究の磁場によって成り立っています。2015年から首都圏の複数の大学で非常勤講師をつとめ、2023年から石巻専修大学准教授。主著に『フェミニズムはもういらない、と彼女は言うけれど——ポストフェミニズムと「女らしさ」のゆくえ』(晃洋書房, 2020)、共著に『離れていても家族』(品田知美・水無田気流・野田潤・高橋幸, 亜紀書房, 2023)があります。