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(2024年9月22日現在、引き続き受付中)
スラヴォイ・ジジェクは現代を代表する思想家のひとりです。『イデオロギーの崇高な対象』(1989年)以降、おびただしい量の書籍が出版され、翻訳もされてきました。日本の元号でいえば、平成を通じて活躍してきた思想家。幅広い知を背景に独自の理論を展開し、その発言はいまでも注目を集めています。
しかしまさにその幅広さが、ジジェクを読もうとする人にとっては障害になります。前提となる知識を身につけるだけでも一苦労だからです。また、日本語の環境では、訳書は多数あれど、手引きとなるような入門書の類は必ずしも充実しておらず、近年の展開までフォローアップしたものとなるとあまり見当たらないのが現状です。
そこで、ジジェクを理解するのに重要な領域で卓越した専門的知見をお持ちの方々に、それぞれの視点からジジェクへの入門講座をしてもらう連続イベントを開催します。【精神分析】の初回はラカンの入門書の傑作『疾風怒濤精神分析入門』著者の片岡一竹さん、【ドイツ観念論】の第3回はドイツ哲学の研究を背景に、批評誌『夜航』にて「ジジェク以降のドイツ観念論へ」と題する特集を組まれた中村徳仁さんにお願いしました。この若い二人に加え、第2回では民主主義論を専門とする山本圭さんに【政治】の観点からジジェクを語っていただきます。
ここまでを基本編と捉え、第4回以降では多彩なトピックを扱います。表象文化論を専門とする野尻英一さんには、【批評理論】をテーマに、その重要性のわりに十分に注目されていないと見える英語圏の大批評家フレドリック・ジェイムソン、テリー・イーグルトンとジジェクの系譜をご紹介いただきます。ジェンダー論に関しては、ジジェク本人はこの言葉を使っていないのですが【ポストフェミニズム】の観点から考えるとおもしろいに違いないというアイディアで、『フェミニズムはもういらない、と彼女は言うけれど——ポストフェミニズムと「女らしさ」のゆくえ』の高橋幸さんにお願いしました。現代社会の必修科目【メディア論】については、メディア文化論をはじめ多方面での活躍がありジジェクの翻訳もある清水知子さんにご登場いただき、最終回には、この20年余りジジェクの数々の訳書を手がけてこられた中山徹さんに、ジジェクのキャリア全体を視野に入れたその変遷と【新展開】を語っていただきます。
講師の方々には各回のテーマを基本的なところからお話してもらうようお願いしています。分からないところや違和感のあるところはじっくり質問していただける形で進めるつもりです。精神分析やドイツ観念論についてもゼロから勉強できる、一粒で二度おいしい講座になるはずです。
今回のイベントでは以下のことも狙いとしています。30年以上にわたる活動のなかで、ジジェクの思想はどのように変遷してきたのか。現在の目から見て、ジジェクの何がおもしろく、何がつまらないのかを検討したい。言ってみれば、令和のジジェク入門はどのようであるべきなのか。回を重ねるなかでそれを浮かび上がらせることを目論んでいます。
疫病、戦争、猛暑……そのほかさまざまな問題を抱えたいまの世界を考えるのに、思想はひとつの助けになるはずです。ジジェクのしばしば挑発的な発言は、それゆえ苦笑いとともに受け流されがちでもありますが、これをひとまず真面目に受けとめて、率直に話し合ってみたいというのもやりたいことのひとつです(たとえば私はここ数年、現代におけるフィクションのあり方について考え書いてきましたが、そうしたことについても機会があれば話題にしたいと思っています)。その意味で、知識の多寡やジジェクへの親しみの度合いを問わず、多くの方にご参加いただければ嬉しいです。
昨年7月にジジェク『あえて左翼と名乗ろう』(青土社)を訳したことが、今回のイベントのきっかけです。上記のようなことを自分ももっと勉強したいと思うと同時に、ジジェクに関心を持つ方々と話してみたいと思いました(とはいえもちろん発言を強制することはありませんが)。ありがたい縁もあり、ちょっとおもしろい趣向で、今回のイベントは、東京・京都・仙台の3つの会場で開催します。続けて参加していただければ理解が深まるでしょうし、もちろん単発での参加も歓迎です。お近くの方は会場で、またそうでない方もオンラインで、ぜひお気軽にご参加ください。
日程
※全回オンライン配信あり。アーカイブ視聴可(長くご覧いただけるようにする予定です)。
第1回 【精神分析】スラヴォイ・ジジェクにはダマされないぞ!
講師:片岡一竹
日時:2023年10月22日(日)14時〜 ← 終了しました
会場:東京 自由が丘 レスピラール
アーカイブ動画(3時間15分、休憩時間除く)、販売中!
第2回 【政治】敵対性、ポピュリズム、ラディカル・デモクラシー
講師:山本圭
日時:2023年11月10日(金)19時〜 ← 終了しました
会場:京都 KIKA Gallery
アーカイブ動画(2時間20分程、休憩時間除く)、販売中!
第3回 【ドイツ観念論】君たちはどうカオスを生きるか——ドイツ観念論から入るジジェクとガブリエル
講師:中村徳仁
日時:2023年11月24日(金)19時〜 ←終了しました
会場:京都 KIKA Gallery
アーカイブ動画(2時間20分程、休憩時間除く)、販売中!
第4回 【批評理論】ポップカルチャーから社会認識を拓く:イーグルトン、ジェイムソン、ジジェクの系譜
講師:野尻英一
日時:2023年12月24日(日)13時〜 ←終了しました
会場:京都 KIKA Gallery
アーカイブ動画(3時間程、休憩時間除く)、販売中!
第5回 【ポストフェミニズム】ポストフェミニズムから読むジジェク
講師:高橋幸
日時:2024年1月8日(月)14時〜
会場:仙台フォーラス3階 BOOKSPACEあらえみし ←終了しました
アーカイブ動画(2時間45分程)、販売中!
第6回 【メディア論】メディアとポップカルチャーの政治哲学
講師:清水知子
日時:2024年1月27日(土)14時〜 ←終了しました
会場:東京 自由が丘 レスピラール
アーカイブ動画(2時間45分程、休憩時間除く)、販売中!
第7回 【新展開】無になりきらない無——弁証法的唯物論
講師:中山徹
日時:2024年2月23日(金)14時〜 ←終了しました
会場:東京 自由が丘 レスピラール
アーカイブ動画(3時間程、休憩時間除く)、販売中!
会場
東京会場:レスピラール 東京都世田谷区奥沢5-9-5
東急東横線・大井町線 自由が丘駅より徒歩7分
東急目黒線 奥沢駅より徒歩4分
京都会場:KIKA Gallery 京都府京都市北区小山東元町20-2
地下鉄烏丸線『北山駅』3番出口から徒歩10分
地下鉄烏丸線『北大路駅』1番出口から徒歩8分
仙台会場:BOOKSPACEあらえみし 仙台フォーラス3階 宮城県仙台市青葉区一番町3-11-15
JR/仙台駅より徒歩15分
地下鉄南北線広瀬通駅西4出口より徒歩1分、地下鉄東西線青葉通一番町駅より徒歩4分
車/東北自動車道 仙台宮城インターチェンジより車で約10分
料金
各回 2000円
3回以上参加の場合(現地でもオンラインでも) 各回1500円
学生割引
各回1500円
3回以上参加の場合(現地でもオンラインでも) 各回1000円
*あとから追加で申し込みいただいた場合も遡って割引します(申込フォームの備考欄にその旨お書きください)。
問い合わせ先
ご不明点等あれば遠慮なくお問合せください。
勝田悠紀 ywaiya0820@yahoo.co.jp